午後の静かな部屋と手元
帆立のように日差しが細く差し込む午後、机の片隅でスマホの吸盤グッズを思い出した。先日見かけた高校生たちが壁にスマホをペタリと貼り付けていたあの光景は、妙に頭に残っている。手を伸ばして触れれば冷たさが指先に届き、縁の丸みが小さな存在感を放つ。
映像のための静かな工夫
なんのためだろうと思いながらも、壁面に張り付いたスマホは確実に自由を得ているように見えた。動画の自撮り用だと知ると、単なる撮影道具を越え、工夫が楽しい遊びに思えてくる。自分の動きが一瞬止まって、机の上のペン先や紙切れの並びに目がいく。
ひと呼吸の間に忍び込む雑念
湿度も風もどこか安定していて、冷たい飲み物の結露が透明な輪を描く。活発な動きは遠く感じられて、その場にいる自分だけが微妙に時間からひと歩き遅れているようだ。こうしてじっと手元と微かな周囲の変化を見つめる時間が、いつの間にか必要になるのかもしれない。
