昼光の駅ホームと蓋

昼の駅ホームで光が落ちるマンホールの蓋を前景にした写真風景

昼光とマンホールの蓋

昼の駅ホーム。天気は晴れ、空の色と線路の金属光が混ざり、遠くの改札音が薄いリズムを刻む。前景のマンホールの蓋は、中央の刻みと外縁の光の反射で小さな地図のように見える。手すりの冷たさを指先で確かめながら、私はシャツの裾を軽くつまむ。風は穏やかで、髪の毛はそっと揺れて、時間が少しゆっくり流れる。

始まりかけのもの

蓋の陰が、薄く伸び始めた。線路の赤い表示灯が瞬き、光の帯はコンクリートの隙間へと色を移す。始まりかけのものは、まだ名字を持たない。私はバッグの底で指先を探って、温度の変化を感じ取る。手元のコーヒーはぬるくなり、静かな風が肩を軽く揺らす。

色の変化

昼の光は角度を変え、マンホールの蓋の鉄の色を深くする。近くのベンチには誰かの影が落ち、ガラス越しの街路樹が揺れる。遠ざかったアナウンスの声が、今はこの場所の記憶の一部のように耳に残る。これからの時間が、少しずつ別の色へ変わっていくのを、私はただ見ている。この光景は、同じ日常を生きる誰かと、どこかで同じ呼吸をしているのだろうか。