ほの暗い街路樹の下
夜遅く、東京の住宅街を歩いている。街灯はぽつぽつと並び、雲が空を覆っているため星は見えない。風がほんの少し吹くと、街路樹の葉がかさかさと音を立てる。そんな音に耳を澄ませながら歩くと、夜の静けさがじんわりと身体に沁み込むのを感じる。
足元の砂利と風のささやき
足元の砂利が靴に当たる音が小さく響き、遠くの自動車のライトが時折揺らめく。周りには誰もいないが、ふと立ち止まる。街路樹の幹は冷たく、夜の空気に混ざった湿気をほんの少し吸い込んでいるようだ。これは皆さん、ひとりで味わうにはもったいない静かな時間のひとコマだ。
薄暗い中で立ちつくし、見上げると都会では珍しい低い枝の陰が見える。風に揺れる葉っぱが、小夜曲のように耳に届く。こんな夜も悪くないと思いながら、ゆっくり歩き続ける。とてもささやかな光景だけれど、確かにそこにある自然の呼吸を感じた。
