春の夜、窓辺に届く風
4月末の夜、東京の空気はしっとりと落ち着き、昼間の熱を静かに冷ましています。窓を開けると、若葉の香りを孕んだ柔らかな風が、ふわりと部屋に滑り込んできました。この時期の緑は瑞々しく、闇の中でもその力強い生命力を濃く感じさせます。
季節の移ろいを書き留める
机の上には、使い込まれた万年筆を一本。今日歩いた道すがら、街路樹に宿っていた鮮やかな新緑の色彩を、ゆっくりとノートに書き留めます。紙の上を滑るペン先の音だけが、夜の静寂に心地よく響きます。季節が少しずつ夏へと向かう柔らかな足音が、遠くでざわめく木の葉の音に混じっているようです。そんな小さな変化を愛おしむ、穏やかなひとときが過ぎていきます。
