背表紙の夕映え

夕日に照らされた国語辞典の背表紙

日が傾き、部屋の中に斜めの光が差し込む。机の上に置いた辞典の背表紙が、淡い橙色に染まる。今日、キングジムと人気辞典のコラボ商品が発表されたというニュースを目にした。五種類の辞典がミニサイズの文具になったらしい。手に取るような小さな辞典は、どんな感触だろうか。手元の辞典と比べて、どれだけ情報が詰まっているのだろう。辞典を手に取ると、予想以上の重さが手のひらに響く。製本の硬さが、長年の使用を物語る。

背表紙の夕映え

手元にあるのは、もう十年以上前に買った国語辞典だ。表紙の角は擦れ、背の布地は所々ほつれている。ページを開くと、インクの匂いがかすかに立ち上る。夕日が文字の上を滑っていく。一つの語を指でなぞると、凸凹した紙の表面が指先に伝わる。しかし、指で触れるのは一度だけにする。代わりに、目で追う。視線が行と行の間を静かに進む。見出し語の活字は、明朝体で整然と並ぶ。説明文は簡潔で、無駄がない。

文字の重み

ページの端から、斜めの光が透過し、薄い影を落とす。それぞれの文字が、長い時間を経てここに存在している。何度も読み返したページは、自然と開きやすい。夕日はさらに傾き、辞典の影が机の上で伸びる。新品のミニ辞典は、この重みや傷を持たない。しかし、紙の感触や、文字の並びは変わらないだろう。窓の外の空が、青から橙へと変わっていく。そっと辞典を閉じる。背表紙の文字が、最後の光を反射して浮かび上がる。