新作パンと風景
5月10日、世田谷区の小さなパン屋「小径のパン舎」が新作パン「抹茶さくらあんパン」を発売した。日暮れ前の店内は白い壁と木の腰掛、窓から差し込む橙色の光がガラスケースを縁取り、静かな温度を保っている。
手前のパン
手前のパンは抹茶色の生地にさくら色のあんを渦巻き、薄く焼き色が走る。指先で押すとふわりと弾力が返り、表面には微かな亀裂と粉の微粒子が乗っている。香りは青草の清涼さと甘い砂糖の香りが混ざる。
夕暮れの光と温度
私は外の風を受けつつ、店内の木の匂いとパンの蒸気を鼻に吸い込む。通りの自転車ベルと子どもの笑い声がかすかに混ざり、パン箱の開く音が静かな時間をつくる。
夕暮れの窓に長い影が伸び、パンの断面が光を拾う。新作に触れた人々の視線が穏やかな空気を作り、近所のスイーツ好きは今日もこの香りを待っているのだろうか。店の外には夜風が葉を揺らし、遠くで犬の鳴き声が遠ざかる。
