窓を少し開けると、昼間の柔らかな温もりをかすかに残した春の夜風が、静かに部屋へと流れ込んできた。どこからか微かに漂う若葉の香りが、深い呼吸を誘う。遠くに見える街の灯りも心なしか穏やかで、胸の奥に溜まっていた小さな緊張がふっとほどけていくのを感じる。
春の夜風に包まれて
こんな穏やかな春の夜には、ただ机に向かい、お気に入りの万年筆をノートに滑らせたくなる。さらさらというペン先の微かな音と、カーテンを揺らす風の音だけが、心地よく部屋を満たしていく。
インクが馴染む静かな時間
ブルーブラックのインクが真っ白な紙にゆっくりと馴染んでいくのを眺めながら、特別な出来事は何もないけれど、この静かで満ち足りた時間をそっと味わっている。
