デスクに置かれた青い万年筆

デスクの上に置かれた青い万年筆

透明な軸の輝き

窓からの光がデスクの端をなぞり、そこにある一本の万年筆を照らしている。深い青色をした樹脂の軸は、今の季節の空よりも少しだけ暗い色味をしている。ペン先は丁寧に磨き上げられており、微かな光を反射して銀色に光る。指先を近づけると、ひやりとした冷たさが皮膚から伝わってきた。軸の中ほどにはわずかな凹凸があり、それをなぞるたびに指に吸い付くような感覚が残る。この万年筆は、もう何年も手元にある。インクを充填するたびに、指先がかすかに青く染まるのが、今の自分の決まり事だ。会議で画面に向かうとき、ついこのペンを指の間で転がしてしまう。ルールや制限といった言葉が頭をかすめるけれど、このペン先が紙を滑る感触さえあれば、そこにある確かな重みだけは失われない。

指先に残る感触

ペン先をゆっくりと無地のノートに押し当ててみる。少しだけ抵抗を感じながら、ゆっくりと線を引いた。インクが紙に吸い込まれていく様子を、じっと凝視する。ペン全体から伝わる繊細な振動が、手のひらを伝って肩まで抜けていく。キャップの金属部分を指で弾くと、高音の響きが小さな部屋に溶け込んだ。重すぎず、かといって軽すぎることもない。この絶妙な均衡が、今の自分には心地よい。画面越しにルールが定められる世の中になっても、手元にあるこの質量だけは、誰にも奪えないものとして存在している。青い軸の表面に、かすかな指紋が重なった。それを袖口で丁寧に拭き取り、また元の場所へと戻す。午前中の静けさが、デスクの上で少しだけ濃くなったように思えた。