交差点に揺れる夕顔の落ち葉

都会の交差点にひらりと落ちた夕顔の葉がある光景

交差点の片隅に

立ち止まると、舗道の隅で夕顔の葉が一枚、ひらりとくるりと回って落ちていた。六月の空は灰色がかって、街路灯の影も薄く伸びている。昨日の雨が残した名残りはもう乾きかけているが、それでも空気の中に湿った匂いがわずかに漂い、わたしの足元を濡らしたままだった。文字通りの雨はもう落ちてはいないのに、葉の緑はところどころ透明感を帯びているように見えた。

振り返る視線の揺らぎ

隣の角から聞こえた自転車のチェーンの音に反応し、ふと辺りを見る。信号待ちの人影が途切れ、その静寂に余白が増える。空を見上げれば、重たげな雲が流れてゆく。歩道の小さな亀裂からは雑草の芽が力強く伸びていた。そんな景色の中で、風に舞う落ち葉はどこか踊るように見えた。体の重心が左右に揺れて、足の指の先がわずかに感覚を取り戻す。外界の細部が淡く染み込んで、心の中のざわつきに寄り添う。

雨上がりの街を見つめて

雑踏の音が遠ざかり、街のざわめきは日常の潮騒のように聞こえる。割れたアスファルトの向こうで、通り過ぎる車の影が一瞬、葉の上に映る。再び足元を見ると、葉の輪郭が繊細に空気を切り取っている。雨の痕跡とともに、この場所でひとつだけ伝わってくる季節の記憶と静けさがある。手のひらで空気を掬うように呼吸をして、しばらくそこにいる。あなたの背後に続く音が薄れて、次の歩みに向かう足音だけが響き始めた。