夜の浴室で触れる蒸気の隙間

夜の浴室の戸を開ける瞬間、湯気が立ち上る光景

戸を開け放つ先の湯気

指の感触に力がこもる。浴室の戸は、すこし冷たく、すこし重かった。開けた瞬間にじんわりとした暖かさが指先を撫でるように伝わり、続いて蒸気が視界の隅から滲んでくる。靴下のかかとが濡れた床に触れる感覚は、一歩一歩ゆっくりしか動かせなくしていた。

灯りに映る水滴の佇まい

薄暗い明かりが壁の白いタイルに淡く反射し、透明な水滴は位置を変えては揺れていた。メタルの蛇口や木の椅子は使い込まれて角が滑らかで、手のひらに馴染んだ感触を覚えている。湯けむりの中、なにかが揺らめき、視線がふと止まる。

水音の裏に触れた呼吸

浴槽の縁に触れた指先に、わずかな暖かさが溶けて広がっていく。お湯の表面は鏡のように静かに揺れ、湯気に隠れて小さな水音だけが確かに聞こえた。背中がひんやりとするのを導く一瞬があって、身体の重さがゆっくり落ち着くのを待っている自分がいる。