バイアステープを縫う朝

窓辺の机に広げられた布とバイアステープ、針と糸

窓辺の裁縫

曇った空から差し込む光は柔らかい。机の上をゆっくりと移動する光の帯に沿って、布を広げた。

昨夜見た動画を思い出す。バイアステープの縫い落ちを防ぐコツ。表から縫うときに、テープの端を少しだけ内側に折り込むだけの方法らしい。

試してみる。指先でテープを折り曲げ、待ち針で留める。針を通すとき、いつもより慎重になる。布の表面は薄く陰影をつけて、糸が通るたびに小さな音がする。

三針ほど進めて裏返す。確かに、テープがきちんと縫い込まれている。今まで何度も経験した端のほつれがない。

もう一度同じ手順を繰り返す。今度は手が勝手を覚え始めている。指の動きが滑らかになる。ミシンではなく手縫いだからこそ、この確かさは気持ちいい。

光と布のあいだ

外は相変わらず曇っている。風もなく、湿度が高いせいか、布が指にまとわりつく。少しだけ窓を開ける。外気は冷たくないが、湿った空気が入ってくる。

最後の一針を終え、糸を切る。テープは布にしっかりと沿っている。思ったよりもうまくいった。動画のコメント欄で誰かが書いていた「知りませんでした」という言葉が頭をよぎる。自分の指先にも、その発見が確かにある。

道具を片付けずに、しばらく仕上がりを眺める。針目はまっすぐとは言えないが、それでいい。