揺れる灯りの輪郭
寝室のベッド脇に置いた小さな灯りが、壁にぼんやりと淡い輪を描いている。電球の輝きは強すぎず、向こう側の影とほんのり混ざって、空気の中に微かな震えを生んだ。手の届く距離にある読みかけの本は、ページの端がすこし折れていて、その質感までもが夜の暗がりに溶けていく。ページの凹凸が指先の記憶をくすぐるのだろうか、横たわる体がそっと反応するのがわかる。
乱れた布団の面影
布団は、昼間に慌ただしく離れたままの形で、そのまま静かにそこにある。折れた襞が夜の空気にじっと耐えるように佇む。布の繊維がざらりと肌に触れた。その触感の記憶がごく薄い震えとなって、意識の隅から連れてきた。
暗がりに漂う音の気配
遠くの時計の秒針が、確かに聞こえるほどの静けさ。外の街灯の灯りも遠く、カーテン越しに淡い光の影を落とす。時折、軋む家の柱か、階下の水の流れのようにも聴こえる。そうした音に身を預ける身体がいやおうなく知らせる〈まだ終わりじゃない〉という感覚。
