路地裏の夕暮れ鳥

夕方の路地裏、電線に数羽の鳥が止まっている様子

電線に残る影

路地裏に入ると、急に静かになる。表通りから少し曲がっただけなのに、車の音も人の声も遠くなる。電線が空を横切っていて、そこに何羽かの鳥が止まっていた。スズメだろうか。胸のあたりが白っぽいから、もしかすると違う種類かもしれない。

立ち止まって見上げる。鳥たちはほとんど動かない。ときどき首を傾げる程度で、羽をばたつかせることもない。薄曇りの空はまだ明るくて、電線の黒い線がくっきりと浮かんでいる。

ひと羽、またひと羽

しばらく見ていると、一羽が飛び立った。音もなく、すっと東の方へ消える。残りの鳥は気にした様子もない。だが、そのあとすぐにまた一羽が飛び立つ。次第に鳥の数が減っていく。最初は五羽いた。今は三羽。

何か合図でもしているのだろうか。順番に飛び立っていくのが、決められたことのように見えた。

空っぽの電線

最後の一羽が残った。小さな影が電線の上にぽつんとある。その鳥は辺りを見回すように首を動かして、やがて翼を広げた。羽ばたきの音がかすかに聞こえて、すぐに消えた。電線には何もいなくなった。何かを待っていたような気がする。それが何かはわからないけれど、代わりに、空っぽになった電線だけが薄暗い空に伸びている。