雨の手前で触れるアスファルトの温度

雨の夕方の東京、濡れた歩道の縁と側溝の水面、街灯に近い街角

雨の夕方の歩幅

帰り道、信号待ちのあいだに足元の境目を見た。歩道の端と車道の境、濡れて黒く締まった面が光を返している。袖口の水滴が冷たくなり、靴の側面に集まる感触が少しずつ増えていく。

側溝のふちを指先で

次の角を曲がると、側溝の水面が小さく揺れていた。指先で触れたのは音のしそうなふちだけ。跳ね返りの粒が掌に当たって、すぐ引く。街の匂いがいつもより近くなる。

傘を持つかどうか迷った自分に、ひとつだけ丁寧な返事をするなら—明日の持ち物は、今の手触りから決められると思う。

いま足元で、あなたは何を確かめているだろう。