雨の東京、昼のガラスへ
昼の時間帯、雨は静かに続いていて、歩道のアスファルトが少しだけ重たく光っていた。信号待ちのあいだ、店のガラスに指先が届きそうな距離で、水の筋がゆっくり流れるのを見ていた。光が割れて、向こう側の建物が柔らかい輪郭になる。
触れるもの、におうもの
ポケットから出した手袋の表面に、細かな粒が薄くつく。肌に当たる冷たさは一度ではなく、歩くたびに変わる。排水口のそばでは、濡れた金属と土の匂いが混じって、鼻の奥に残る。通り過ぎる車の水しぶきが、ガラスの上で小さな層をつくり、またすぐ消える。
今の雨の続き方、あなたの近くでもどんなふうににじんでいますか。
