雨の降る前の川べりで、耳を澄ます

夜明け前の東京の川べり、雨の気配の中を歩く人と街灯、濡れた石段の質感

夜明け前の川べり

まだ薄暗いまま、川べりの遊歩道を歩いた。手すりの冷たさが指先に残る。石段のふちには小さな水の筋が見えて、足が着くたびに低い音が返ってくる。水面は一定じゃなく、うねりがほどけてはまた寄る。

音の手触りを追う

立ち止まって、耳をそばに寄せる。上流側から細い波が届き、岸に沿って左右に分かれて進むのがわかる。風は強くなく、ジャケットの袖が軽く揺れる程度。足元の隙間にたまった水が、かすかに跳ねてすぐ静まる。

ひとつだけ、確認すること

雨は降り切らないまま気配が残っている。次の波が来たとき、あなたはどこに耳を置く?