薄い紙袋の持ち手、改札横の植木鉢

改札横の植木鉢と薄い紙袋の持ち手が手元にある夜の風景

駅の改札を出たところで、薄い紙袋の持ち手が指に食い込む。バッグの紙は乾いていて、触れるたびに繊維がこすれる感じがする。目の前の植木鉢は、土の表面が落ち着いた色で、縁のあたりだけ少し固まって見えた。

## 改札横

人が流れる隙間に立って、呼吸の分だけ肩がゆっくり下がる。植木鉢の脇の小さな受け皿は、光を受けても反射しすぎず、輪郭がぼんやり保たれている。曇った日のように、周りの明るさが一定で、影も強くならない。

## 指先の感触

紙袋をもう一度握り直すと、持ち手のねじれが手の側面に当たって、軽い圧が残る。手のひらの温度が上がる前に、足元の床が冷たく感じて、歩き出すリズムが整う。

## 立ち止まる瞬間

帰り道の駅前で、何気なく触れているものがあるだけで、夜の疲れ方って変わってくるものじゃないでしょうか?

紙袋の持ち手を指から外して、ポケットにしまう。

改札横の植木鉢を一度だけ見て、角を曲がった。