薄暮の田んぼと苗の列
薄暮の風が水面を揺らし、ことさんさんと呼ばれる新しい苗が等間隔で並ぶ。畔の土を整える手触りには無駄がなく、苗をそっと戻す音だけが静かに響く。葉先には夜の雲の影が走り、苗はまだ眠るように小さく震える。
夏の暑さにも耐える苗
暑さを想像させる季節に向け、苗は水と土の間でゆっくり成長する。新種の苗は地味ながら力強く、列は徐々に濃い緑へと変わっていく。池の縁には虫の声が混じり、作業用の箱の塗装が風に揺れてまた揺れる。
暮らしのリズムと静かな期待
田んぼの端に落ちる薄橙の空を眺め、穂の揺れに合わせて胸のリズムを整える。地元の方の話を思い、作業を1つ1つ丁寧に重ねる。苗の列は季節の準備と地域の営みを結ぶ一本の線。どう捉えるだろうか。この静かな景色を見送ると、次の季節の匂いが胸の奥に残る。
