風が落ち葉一枚を撫でる
五月の昼、ベランダの手すりの上に落ち葉一枚が静かに置かれている。日差しは葉の縁を薄く染め、風がその縁をゆっくりと揺らす。苗は土の香りを放ち、床のコンクリートはひんやりと肌に触れる。遠くの車の音だけがうすく響き、呼吸のリズムと葉の揺れだけが時を刻んでいる。
日差しの輪郭
葉の表面には小さな陰が移動し、日が傾くにつれて陰の形が少し変わる。昨日と比べて、葉脈の細さがいっそうくっきり見える。これ以上の変化は必要ないか。とても穏やかな要素だけが、ここにはある。
葉の息づかい
苗の緑と葉の陰影が、風のリズムに合わせてゆっくりと呼吸する。床の冷たさと遠くのノイズが、手すりの距離感を生む。昼の静けさは、急がずに案内を続ける道のようだ。
静かな記録
この風景は、日常の小さな変化をそっと記録している。落ち葉一枚が残した時間の痕跡を、改めて数えてみると、心のひだに小さな温度が生まれる。だろうか、この感触は誰のものにも等しく戻るのだろうか。
