濡れない石階の小さな朝

朝の石階と手すり、靴裏の手触りを想像させる風景

石階に残る水の筋

玄関まで続く石階を一段ずつ確かめる。濡れた場所は広がっておらず、角のところにだけ薄い跡が残る。靴裏が触れる感触はさらりとしているのに、わずかに冷たさが指先まで届く。

手すりの欠けた縁

金属の手すりは手のひらの温度を受けて色が変わる。欠けた縁に指が触れるたび、昨夜の名残が終わったのを確かめたくなる。こんな朝の手触りを、他でも探したくなる。

一歩先の静けさ

通りの車の音が遠くなると、階段の反響だけが近くなる。小さな歩幅で登り切って、次の扉を押す前に、石の目地をもう一度見る。今日も同じ場所で足が迷わないだろうか。